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ふたりっ子育ても大変!

ふたりっ子育ても大変!


中京大学心理学部 准教授 小島康生

 子育て不安や育児ストレスのことがたびたび取り上げられますが、意外に知られていないのが「ふたりっ子育て」のことです。

 二人目の子どもができた人に対しては周りもつい「初めてじゃないんだし大丈夫でしょ」と言ってしまいがちですが、じつはそんなことはありません。ふたりっ子育てには、初めての子育てとは違った大変さがあるのです。

 ふたりっ子育てが始まった当初もっとも大変なのは、やはり上のお子さんへの対応でしょう。赤ちゃんができた途端、「お兄ちゃんでしょ!」「さすがお姉ちゃん!」と自立心をくすぐるような扱いをしがちですが、本当は上の子だってたくさんの世話が必要です。ですから、赤ちゃんの世話に集中できる一人目の子育てとは違って、ふたりっ子育てでは、手のかかる子どもが上にもう一人いて、しかもその上の子どもにはいままでのようにかかわってあげられないことがポイントなのです。「赤ちゃん返り」という言葉がありますが、あれは健気(けなげ)にも自分が赤ちゃんであるかのように振る舞うことで、お母さんの注意を自分に向けようとする行動なのだといいます。
 
 しかし、そうした赤ちゃん返りは、お母さんにとっては「厄介なこと」と感じられることも多いでしょう。ある調査によれば、上のお子さんがお母さんの手を煩わせるのは、お母さんがおっぱいをあげているときだといいます。上の子どもは「僕(私)もここにいるよ」という気持ちをここぞとばかり伝えようとしているのでしょうが、お母さんにしてみれば「よりによってこのタイミングで!」と、子どもの思いとは反対にイライラを募らせ、感情的に怒ってしまうことにもなりかねません。

 赤ちゃんの動きが活発になって自己主張が強くなってくると、今度はきょうだいげんかが始まります。よくあるのは、赤ちゃんが上のお子さんのおもちゃを勝手に触って壊してしまうなどがきっかけで、上のお子さんが赤ちゃんを叩くというようなケースです。こうなるとお母さんはますます目が離せなくなり、しかもどうしても赤ちゃんをかばう対応をしますから、上のお子さんはいよいよ不満をあらわにし、攻撃的になったり、反対に元気がなくなってしまうようなことも出てきます。
 
 では、ふたりっ子育ての大変さにはどう対処するのがよいでしょうか。ひとつには、他の人を巻き込むことでしょう。私たちがかつて行った調査では、お父さんと上のお子さんとのつながりが強い家庭ほど、赤ちゃん返りが少なく、お母さんのストレスも低いという結果でした。そしてそれはお父さんでなくてもよいはずです。もう一人大人がそばにいるだけで、お母さんは煮詰まった状況から解放され、一人ひとりの子どもにも目が向かいやすくなるはずです。ふたりっ子育てでしんどい思いをしているお母さんたち、どうか一人で抱え込まず、周りの人を巻き込んで少しでも楽になる手立てを考えてみて下さい。

2009年4月号 二人目子育て


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