このひとにこのテーマ

「ママ、これってなあに?」~赤ちゃんのもつ確認能力~

中京大学心理学部・元幼稚園教諭  冨貴田智子
2009年3月号


 見たことのない人が突然現れた,おかしな音を出すおもちゃが急に出てきた…初めて出会う人やおもちゃに対してどうしてよいのか分からない時、赤ちゃんはどのような行動をとるのでしょう。「この人は誰だろう?」「遊んでもいいのかな?」赤ちゃんの心の中はこのような状態なのかもしれませんね。

 こんなとき赤ちゃんは、ママの表情とことばから、目の前にあるものや人と遊んでもいいのか、それとも触らない方がいいのか、といったことを判断すると言われています。1歳を過ぎた頃に見られる、ママの顔と初めてのもの(人)を交互に見る、という行動は「社会的参照」と呼ばれ、その後、赤ちゃんがそのもの(人)とどう関わるかといったルールや行動の大切な要素となるようです。

 では社会的参照とは、どの赤ちゃんにも同じように見られるものなのでしょうか。それを調べるため、昨年2ヶ月に渡り、実験を行いました。プレールームに2種類のリモコンのおもちゃを用意し、赤ちゃんがおもちゃにどう関わるのかビデオに撮って観察をしました。その様子から、ママに「(触ったら)だめよ」と言われた場面で社会的参照の多い赤ちゃんは、おもちゃをじっと見ることとそらすことの繰り返し・自分の髪やママの手などを触る、という行動が多く見られました。「触りたいな。でもママはだめか…」という心境なのでしょうか。触りたいけど、我慢するために視線をそらしたりする。これは自分の行動をコントロール出来るようになる前段階にも感じられますが、本当かな?この点については今後も研究を進めていく予定です。
 
 実験には天白の皆さま始め、17組の赤ちゃんとママが参加して下さいました。ありがとうございました。また新しい実験を考えています。その時にはぜひ、ご協力をお願いします。
09年3月号


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