このひとにこのテーマ

「なごや子ども条例」とは

同朋大学社会福祉学部教授 白石淑江
2009年1月号


 名古屋市では、昨年3月に「なごや子ども条例」を制定しました。この条例は、子どもの権利を保障し、子どもの健やかな育ちを社会全体で応援することを目的としています。 

 条例では、最初に、子どもにとって大切な権利を大きく「安全に安心して生きる権利」「一人一人が尊重される権利」「豊かに育つ権利」「主体的に参加する権利」の4つにまとめています。これらの権利は、どの子どもも生まれながらにもっているもので、何か特別の約束や義務が伴うものではありません。

 例えば、「安全で安心して生きる権利」には、命が守られること、健康な生活ができること、愛情や理解をもって育まれること、差別を受けないことなどがあげられていますが、どれもが当たり前で大切なことであることが分かるでしょう。そして、これを保障していくには、保護者、地域住民、学校などの機関、市(行政)がそれぞれの役割を果たす必要があります。その意味でこの条例は、大人たちや社会が守るべきことであると言えます。

 では、この条例の考え方を具体化するには、どんなことから始めればいいのでしょうか?一つは、子どもの視点や、子ども立場に立って考えてみることだと思います。表情や反応を見たり、話を聞いたりして、子どもはどう思っているかを理解することだと思います。私たち大人は、子どものためを思って色々なことを一生懸命してあげています。でも、子どもの側からすると、歓迎できないこともあります。逆に、子どもが自分勝手なことを主張することもたくさんあります。そういう時には、ただ「わがままを言うな」と押さえつけてしまうのでなく、子どもの気持ちを落ち着かせてから、どんな結果になるかを一緒に考えることも大切です。

 今、大人たちは忙しく、子どもとゆっくり向かい合うゆとりを失いがちです。子どもの権利を大切にすることは、子どもと向き合い、子どもとの時間を楽しむことから始まるのではないでしょうか。

○子ども条例を解説したパンフレット
http://www.city.nagoya.jp/_res/usr/52680/Pumphlet-new.pdf
○パンフレットまえがきより
子どもは、一人一人がかけがえのない存在です。すべての子どもが、大切にされ、自分の持っている力を伸ばしながら、いきいきと安心して健やかに育ってほしい、そし て未来の名古屋を担っていってほしいという願いをこめて、この条例(みんなの約束ごと)をつくりました。
09年1月号


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