このひとにこのテーマ

「遊び」は子どもにとってかけがえのない権利です

子どもの遊ぶ権利のための国際協会(IPA)日本支部事務局長 
天白子ネット 代表     奥田陸子
2008年6月号


子どもは好奇心のかたまりですね。生まれてまだ間もない、まだ体が思うように動かせない頃から、目はきょろきょろ、手に触ったものはなんでも口に入れてみる。電車のなかで、ベビーカーに乗った幼い子が、乗客の顔をじっとみる。目が合うと、にこっと笑ってくれることもあるし、自分が大人を観察していたことを見られて恥ずかしいのか、すっと目をそらす子どももいる。言葉を話し始めるにはまだまだ早い時期から、子どもは周囲をよく観察し、五感を全開にして周囲のあらゆることから何かを学ぼうとしています。

こういう子どもの好奇心こそが、学びの原点です。周囲のことがらから何かを自分で学び取る力を、自分で獲得しているのです。子どもがやりたいことを存分にやらせてあげることが、将来の学力のもとになります。ヨチヨチ歩き以降は、子どもを取り巻く環境がぐっと広がります。そんなときこそ、どんな環境がよいのか考えてみましょう。子どもを「遊ばせる」のではなく、子どもが自ら「遊べる」「遊びたい」という環境(人間関係も含めて)。好奇心を刺激し、想像・創造力を発揮できる環境。そこで、子どもは自分から遊び、学ぶ機会も豊かになるのです。

生活すべてが遊びになる子どもにとって、遊びはかけがえのない権利です。「権利」というと、肩に力の入った一方的な主張という印象もありますが、当然のように存在する普遍的なものととらえればよいのではないでしょうか。子どもが当然のように遊べる環境を、親をはじめ地域の様々な大人たちが整えていくことが大切です。身近な地域が大切なのです。

IPAは子どもの遊ぶ環境について考えている、国内外のさまざまな分野の研究者や実践者の集まりですが、そこから得た知識や情報を地域にも生かしたいと考えています。天白子ネットもそのひとつです。
08年6月号


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