PAKUっ子特集アーカイブ

お口についての考え方、まとめ

 歯が生えた、歯みがきどうする、むし歯はどうだ、よい歯並びのためには…歯や口のケア、離乳食の食べさせ方と口の発達について、PAKUっ子でご紹介したり子ネットのサロンや講座でお話ししてきたこと&基本情報をまとめてみました。専門家やネット情報によって少しずつ違うところもあるかもしれません。かかりつけの歯医者さんに相談したり、セミナーに参加して、うちの子にあったケアをみつけてくださいね。
【参考】PAKUっ子2015年7月号「歯医者さんと考える母乳とむし歯」、10月号「元気なお口の育て方」、2017年5月号「1歳の食事」


むし歯の子どもは少ない!?


 名古屋ではむし歯がある乳幼児の割合は、全国平均と比べても少ないのです。それでも3歳では1歳半の10倍以上の子どもにむし歯があります。甘いものにふれる機会が増えるからでしょうか。小さい頃からかかりつけの歯医者さんで、定期的にケアしてもらいましょう。

平成26年度歯科健診実施状況より

むし歯有病率 1歳半 3歳 人口10万人あたりの歯科医師数(H.28)
名古屋市 0.92% 9.71% 95.4人
東京都 1.42% 12.47% 140.8人
全国 1.80% 17.69% 76.1人

いずれも厚生労働省


むし歯の心配


Q. 歯が生えはじめました。歯みがきどうすればいい?
A. 前歯だけなら、夕食の後にガーゼやベビー用の歯ブラシで、ちょちょっとみがきます。上の前歯の裏側を意識してみがきましょう。歯が生え揃ってきたときに、親が口の中に歯ブラシを入れることに慣れさせるため、夕食後の歯磨きを親子で習慣にしておきます。

Q. 夜中もぐずるとおっぱいをあげてしまいます。むし歯になりますか?
A. 夕食の後に歯みがきをしてきれいにしておけば、夜間の授乳のたびにわざわざ口の中にガーゼをつっこんで歯をふかなくても大丈夫です。母乳そのものはむし歯になりません。ただ、離乳食のカスが歯に残っている所に母乳がくっつくと、むし歯になる可能性はあります。
 母乳に頼って寝かしつけるのは、ママも子どもも良質の睡眠がとれないので徐々になくしていきましょう。寝かしつけや寝ぐずりには、とんとんで自然に入眠できるようにやってみて。

Q.むし歯って、大人からうつるんですよね?
A. むし歯の原因となるミュータンス菌は大人からうつりますが、ふーふーしてさましたり、キスやスキンシップからうつることはありません。スプーンを共有する、口移しで食べ物を与えるなどから感染します。大人用と子ども用のスプーンはサイズも形も違いますから、使い分けしておけば良いですよね。 
 むし歯菌があってもむし歯は防げます。「パパが自分のお箸で子どもに食べさせちゃった!」と神経質になるのではなく、大人もお口をきれいにすること(歯医者さんで定期検診してくださいね)、砂糖の入ったものは控えること、食事の時間以外にだらだら食べないこと、夕食後にしっかり歯を磨くことを普段から心がける方が、むし歯予防になります。


飲む口


Q. コップ飲みはいつから?
A. スプーンで水分を与えてみて、唇が閉じずに横からだらーっと流れ出てしまうなら、もう少し後にします。唇が閉じてゴックンできるようだったら、徐々にコップから飲ませます。下唇の上にコップのふちを置き、コップを傾けていきます。上唇に水面が当たったところで止めていてください。子どもは上唇を閉じてぴちゃぴちゃ、ずっ、ずず~っと飲んでいくようになります。舌でぺろぺろとなめたりすることもありますが、無理に飲ませようとしないことがポイントです。

Q. ストローや吸い口(スパウト)は?
A. ストローマグは外出のときなど、こぼすのが心配なときには便利ですが、おうちではコップ飲みにしましょう。保育園でもストローは使いません。ストローを先に覚えてしまうと「口に入ってくるものはすべて安全」という誤った感覚を子どもが持ってしまいます。味や匂い、熱さを判断する前に一気に口の中に入ってしまいますからね。口の中に入れていいかの判断は上唇でしています。口の中に入っていくスピードや量も、上唇で感じ取ります。コップ飲みで、上唇の感覚を鍛えましょう。


食べる口


Q. 離乳食のスプーンを口の中まで入れるのはダメと言われました。
A. 離乳食の写真などでよくみかけるのは、口を大きく開けて待って
いる赤ちゃんの口の中に、「はーい、あ~んして」とママがにっこりしながら、山盛りの離乳食がのったスプーンを全部つっこむ光景。実はこの食べさせ方では食べる練習にならないのです。
 おっぱいやミルクを飲む力は本能に備わっていて、赤ちゃんは口を開けておっぱいを吸って、口をあけたまま飲み込んでいました。下の前歯が生えたころ、離乳が始まります。飲むだけの口から食べる口、かむ口に変わっていきます。まずは唇で食べ物を受け取り(捕食)、口を閉じてごっくんするように練習します。口の奥までスプーンを入れる食べさせ方では、唇を通過してしまいますよね。
 食べる力は、毎日の食事で口や舌を筋トレしながら獲得していく力です。まずは唇の筋トレから!

Q. どうやって食べさせればいい?
A. 食べさせ方のコツは、スプーンの先に少しだけ離乳食をのせ、スプーンを赤ちゃんの下唇にちょんちょんと触れさせ、赤ちゃんが自分で上唇をおろして食べ物を取り込むまで待つこと。このような食べさせ方では一口で入る量も少なく、唇からこぼれるから口も汚れて、面倒で、時間もかかり、ママがイライラしてくるのですが…離乳食は赤ちゃんのペースで食べさせるんですよね!?


よくかむ口


Q. よくかんでいない気がします。
A. 離乳食のお困りごとトップ3は、「作るのが負担、大変」33.5%、「もぐもぐ、かみかみが少ない(丸のみしている)」28.9%、「食べる量が少ない」21.8%でした(平成27年度乳幼児栄養調査結果(厚生労働省)より)。うちの子、よくかまずに食べているのでは?と心配される方が結構いますね。
 かまずに丸のみする原因の一つが、「スプーンに山盛りの離乳食をどんどん口の中につっこむ食べさせ方」と言われています。舌をうまく使えず、口に入ってきた食べ物を処理しきれず、そのまま飲み込んでしまうのです。
 ではどうすればいいのでしょうか。まずはスプーンにのせる量を減らします。赤ちゃんの唇で受け取れる程度の量、口の中で処理できる量、すなわち一口の量の目安で。およそスプーンの半分以下くらいになります。それを唇から舌先あたりにのせます。スプーンを口の中に入れすぎないように。赤ちゃんが唇を閉じて取り入れた食べ物を舌の先からのどまで運ぶ間に、「もぐもぐしようね~」と、大人も口をうごかしながら声をかけます。もぐもぐ、ごっくん、口の中に食べ物がなくなったら、次の一口を差し出します。食べたい意欲が勝ってどんどん要求する子もいるかもしれませんが、早食い、丸のみにつながらないよう、あげる量とスピードはママがコントロールしてあげて。


かじりとる歯


Q. 手づかみ食べがよいと聞きましたが…。
A. 1歳前くらいから自分で手をのばして食べたがります。それまで一口一口、大人がスプーンで口まで運んでいたものを、自分の手と口を使って食べていく第一歩になります。食べ散らかしには目をつぶって、どんどんやらせてあげて。
 道具を使って大人とだいたい同じものを食べられる目安は、乳歯が生えそろう3歳頃。手づかみ食べからスプーンに移行し、お箸を使うようになります。それまで毎回の食事で少しずつ、自分で食べる技能と意欲を育てていきます。

Q. 自分で食べらるように、小さく切ってあげた方が良いんですよね?
A. 何でも食べやすい大きさに切って与えると、子どもは「食べ物は一口で口へ入れるもの」と思ってしまい、前歯を使わず、かまずに丸のみすることを助長してしまいます。 
 大人はどれくらいの量・大きさのものを口へ入れるか、瞬時に判断して食べています。子どもは成長とともに、その能力を少しずつ身につけていきます。この能力は、自分自身で前歯でかじりとって食べることにより身についていくと考えられています。1歳前後に前歯が生えそろいますが、前歯の役割はかじり取ること。その役割をしっかり使っていきましょう。 


お口を鍛える食事


Q. 何を食べさせたらいいでしょうか。
A. 自分で食べる意欲が出てきた1歳の頃から、お口を鍛えるメニューにしていきませんか。おにぎりは小指サイズに丸めるのではなく、子どものこぶしくらいの大きさにして、かじりとらせる。おやつにゆでたじゃがいもや、トウモロコシを出して、かぶりつかせる。スイカは一口大にカットせず種もとらず、かぶりつかせ、舌で種をよりわけさせる。え、食べにくくない?のどに詰まっちゃわない?と思うかもしれませんが、子どもの口のサイズより大きいものは丸のみできませんよね。かえってミニトマトやうずら卵など小さく食べやすく見えるものの方が、窒息しそうで危険なのです。


 「食べる」行為はあまりにもあたりまえすぎて、あえて習わなくても知識がなくても勝手に体で覚えていくものでした。唇で感じ、前歯で噛み切り、舌の先にのせて、口を閉じて、上あごで感じて、舌で左右にふりながら奥歯で噛んですりつぶし、噛めば唾液もたくさん出て、すりつぶしたものと混ざり、異物は舌でより分け、安全な柔らかさにし、そうしたら気管に入らないように舌で食道に送り込む。普通に自然に食べていれば、あるがままの機能を働かせていれば、舌も口も歯も鍛えられ、成長していきました。それが食生活の変化もあって、魚には骨がなくなり、お肉は柔らかくなり、みかんやぶどうにはタネもなくなり、固い野菜も敬遠されるようになり、口も舌も歯も「苦労しないで」食べられるものが増えてしまい、そういうものを中心に育ってしまった子どもたちのお口が「機能が機能として働いていない」ようになってしまったのです。その結果、顎が小さく、歯が入りきらず、歯並びに影響が出てしまうお子さんが増えています。お口のケアというと、むし歯予防に目がいきがちですが、それだけではない、食べる口、飲む口、かむ口の発達のために周りの大人が気をつけてあげたいですね。


明日からできること…おやつを工夫してみては。
お茶を飲むのは、ストローマグからコップに。
赤ちゃんせんべいは、ゆでたとうもろこしに。
スナックパンにストロー付きパック果汁を、大きめのおにぎりとりんごに。


2018年9月号 お口 歯 飲む 食べる かむ かじりとる


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