PAKUっ子特集アーカイブ

子育て広場で運動会。うちの子にできることって?

 来年の今ごろは、オリンピックですね。なので今年の夏の天白おやこ子育て広場では、新企画「真夏の室内運動会」をやります。え?こんな小さな子ども達に運動会なんてできるの?と、ギモンをもたれた方もいるでしょう。「せっかく暑い中、行ったのに、うちの子ができることが何もなかった…」なんてことにならないように、実行委員会メンバーに楽しみ方をお話ししていただきました。


夏の広場は0歳から5歳児まで!

 地域の子育て支援の場には0、1歳児の親子さんが多いですよね。ちょっと歩けると「大きい子」に見えてしまうくらい、おだやかな動きの中で過ごしているのでは。しかし今回の子育て広場は夏休み中なので5歳児の園児さんまで参加OK。激しく動き回る年齢の子どもと赤ちゃんが一緒にいるなんて危険じゃないの?って思われるかもしれません。上の子と下の子を一緒に連れていけるからたすかる~って思うかもしれません。保育園では0~5歳児が集団で生活しているように、広場でも異年齢交流ができます。周りの子の様子も見ながら自分の子どもの今&ちょっと前とちょっと先を親子で確認、体験するまたとないシチュエーションなんですよ。


おうちではできない体験をしよう!


 広い空間、大勢の人、響く音、目移りしそうにたくさんのものが動き、色彩が散らばっている…おうちとは違う新しい場所への不安や恐れがあっても信頼できる人(ママやパパ、保育者)がいっしょなら、子どもはその人を通して世の中を知ろうとします。そしてその人が楽しそうな様子をしていると、ジブンも楽しい、うれしい気持ちになって安心して新しい環境と関わろうとします。だからこそ…子どもを連れていく大人が「わくわくしよう」って思いで参加して!

 初めて参加する親子さんが半数以上です。うちの子にはどのプログラムがあっているのか見当もつかないかもしれません。まずはだっこ紐から子どもを下ろして、子どもが何に興味を示すか表情や動きを追ってみましょう。

 お子さんが雰囲気に圧倒されて会場の中に入れなかったり、プログラムに参加してもママから離れず何もせず泣いてしまうこともあります。でも心配しないでください。ごく自然な反応です。

 初めての場所を楽しそうだと感じて走り回る子もいれば、びっくりしてイヤだと思って固まってしまう子もいます。その子がもって生まれた気質(行動的抑制傾向)の違いです(PAKUっ子2014年10、11月号参照)。「他の子はちゃんと参加しているのに、うちの子は…」と親としては気になるでしょうが、ジブンの意思を周りの人に行動で知らせることができてるんだ!コミュ力高いじゃん!って褒めて認めてください。その子のペースを尊重し、子どもが「いいよ」と受け入れたことをひとつずつ、やってみてください。その子の表情を目で追いながら寄り添いながら、新しい体験に立ち会えることを、私たち実行委員も喜びあいたいのです。


いわゆる運動会じゃなくて「広場の運動会」


 今回の広場では午前と午後の2回、運動会をやります。お子さんの機嫌のよい時間帯を選んで参加してくださいね。

 運動会といえば玉入れ綱引きかけっこなど、誰でもできるわかりやすいルールの競技というイメージがありますが、広場の運動会は小さい子が主体ですから「誰もが同じことをする」、「決まったルールで競う」は成立しません。つまり「こうしなければならない」がない。玉入れの道具はあるけど、いれなくてもいい。綱引きの太い綱はあるけど、ひっぱらなくてもいい。今の発達段階でその子がやりたいこと、できることをする。

 だから「うちの子はまだ綱引きなんてムリ」と「綱を引っ張りあって勝負する綱引き」という概念で判断するのではなく、「今までさわったこともないような太い綱に触れる」という目的で参加してみてください。あ、でも、大人は勝負の意味がわかっているから、綱引きのときは真剣に戦ってくださいね。そういう「真剣に取り組んでいる大人の姿」を見せるのも、子どもへの大きな刺激になります。


玉入れから読み取る、うちの子の今


 さて、玉入れやるよ~という状況で、子どもたちはどんな動きをするでしょうか?同じような形をした、にぎりやすいものがいっぱい散らかっていると、どの年齢の子もさわりたいという欲求がむくむく出てきます。そして、その子の発達段階に応じてこんな行動をします(0歳児~5歳児)。

 目の前に出された玉に手を伸ばす
 目の前に出された玉を握る
 どちらかの手で握った玉にもう片方の手を添える
 ジブンから手を出して玉を持つ
 玉を両手にひとつずつ持つ
 玉を床に押し付ける
 空中で手を開いて玉を落とす
 投げようと腕を振るが、飛ばずに落ちる
 玉が集まった所をぐちゃぐちゃとかきまわす
 玉をジブンの周りに集める
 玉を持って歩く 
 玉を目標のところまで持っていく
 持っていった玉を目標のところで放す   
 玉を目標のカゴに入れることが大事だとわかる
 他の子がやっていることを真似しようとする
 みんなで協力して同じことをする

 …じゃあ、うちの子はどう動くでしょうか?「こうやりなさい」と声を掛ける前に、観察してみましょう。
 
 小さい子はそもそも、握ったものを放すことが難しい。手を開いてぽとっと落とせたら、すごいね~ってほめてあげてください。

 玉を持ってあちこち投げつけても、3歳くらいなら体は正面を向いたまま、腕は肩の前までしか上げないし、ひじもまがっているので、速く遠くまで投げることはできません。「投げちゃダメ」ってセリフをひとまず封印して、投げさせてあげましょう(周囲への安全配慮はお願いします、スタッフも気をつけています)。

 持っている玉は「ジブンのモノ」です。玉を集めて渡さないのも、ジブンの意思表示ができています。手放してカゴに入れるのは、抵抗感があります。だから指定の場所に玉を入れられたら、すごいです。

 玉を入れない玉入れでも、たくさんの発達が見られるんですね。この子、その子、少し大きい子、小さい子がどんな動きをするか、私たちも興味津々で見たいと思ってます。


ダンス=自己表現&みんな一緒の感覚体験


 小さい頃から子どもはリズムにあわせて体を動かすのが好きですよね。広場の運動会でも、みんなでDancin’します。この時期の子どもたちはまねっこが大好きだから、動きやすい程度の振付の枠を設けてダンサーズのまねっこをしながら、子どもがジブンの身体発達にあった動きを自由にできれば…と考えてます。なんとなくみんなの動きや気持ちが同じになってきたら、一緒にいるのが楽しいって体験になるんじゃないかな。


大人の視点を取り外して、子どもを見る


 子育て広場だけでなく、夏は子ども向けのイベントや遊び場に行く機会も増えるでしょう。そのひとつひとつが子どもにとって新たな刺激になります。

 うちの子が「こうしましょう」というプログラムをやらなくても、「こうあってほしい」という大人の意図した行動をしなくても、「やらなかった、できなかった」と思わず、子どもがジブンなりに環境と関わっている姿なんだと見てください。楽しさの尺度は大人と子どもは全く違いますし、子どもも月齢年齢や個性気質で楽しむツボが違います。大人も、大人の視点をいったん取り外して、子ども心になって一緒に楽しんでみてください。

 楽しい経験は子どもを成長させます!良い夏を!


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